オカルト・ホラー映画の枠にとどまらず傑作と名高い「エクソシスト」の前史にあたる物語。メリン神父の過去、エクソシスト(悪魔払い師)になった経緯などが明らかにされる。「エクソシスト」の名に恥じない作品となっているかどうか興味を持って見ることにした。


エクソシスト ビギニング(Exorcist: The Beginning)2004年[米]

監督:レニー・ハーリン

出演:ステラン・スカルスゲールド、イザベラ・スコルプコ


公式サイト


タイトル: エクソシスト ビギニング


この映画、完成までにかなりの紆余曲折を経ているそうだ。まず最初の監督ジョン・フランケンハイマーが製作準備段階で病死。さらにメリン神父役のリーアム・ニーソンがスケジュールの都合で降板。次の監督ポール・シュレイダーが心理ホラーにして完成させたが「あまり怖くない」という理由であえなくボツ。結局「ダイハード2」「エルム街の悪夢4」のレニー・ハーリン監督が初めから撮り直してついに完成した。


簡単にストーリー紹介。メリン神父は神への信仰を捨てていた。そして第二次世界大戦中のナチスによる事件が彼を今も悪夢に悩ませていた。考古学の知識を見込まれたメリン神父は、 アフリカにある教会遺跡の発掘を依頼される。その教会はキリスト教が当時まだそこまで伝播していない地域にあった。その発掘作業が始まった頃から、 地元の村で異常な猟奇殺人や不可解な自殺が続いていた。そして真の恐怖、悪魔がその姿を現す。


第1作「エクソシスト」には及ばないものの、普通のホラー映画として見れば十分おもしろいと思う。教会遺跡の内部セットなどの美術がいいし、映像も陰影が濃く美しい。逆さ十字架、パズズの彫像などの仕掛けが気分を盛り上げてくれる。CGにはやや満足できない部分もあるのだが、後半の悪魔に憑かれた人との対決では、「エクソシスト」のリンダを思わせるメイクや動きを見せてくれるのでよしとしよう。

「エクソシスト」に思い入れが強い人はがっかりするかもしれないが、そうでなければ楽しめるだろう。第1作を未見の人はこれを機会に見ることをおすすめする。


-関連作品-

タイトル: エクソシスト プレミアム・ツイン・パック